- Date: Fri 09 07 2004
- Category: アンソロジー・合作 河出文庫その他
- Community: テーマ "推理小説・ミステリー" ジャンル "本・雑誌"
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江戸川乱歩、他『サイコ・ミステリー傑作選』(河出文庫)
久々に代休をとり、昼まで眠る。久々の惰眠、っていうか日頃から睡眠不足気味なのでこれぐらいならバチもあたるまい。
起床後は『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』を観に立川へ。平日の昼間、しかも猛暑ということもあって入りは八割程度でゆっくり座れるのがありがたい。で、ポップコーンなど頬張りながら二時間を楽しむ。タイムトラベルネタを使っているので、SFミステリ的な味わいがあり、ストーリーそのものは面白い。だが、けっこう駆け足の展開なので、小学生あたりに理解できるのだろうかと要らぬ心配をしてしまう。特に後半はきついのではないかな。それにしてもみんな成長したなぁ。
読了本は河出文庫のアンソロジー『サイコ・ミステリー傑作選』。昨今ではサイコ・ミステリーというと『羊たちの沈黙』などに代表されるような、狂気に駆り立てられたホラーっぽい犯罪を描いた物、という認識があるが、本書はそれとは違う。そもそも本書の刊行時はまだそんな言葉すらなかった時代。タイトルにあるサイコ・ミステリーとは文字どおり、心理学=サイコロジーをネタにしたミステリーという程度の理解でよいだろう。
収録作は河出のアンソロジーらしく、幅広い時代から採られている。
江戸川乱歩「心理試験」
木々高太郎「眠られぬ夜の思い」
土屋隆夫「夢の足跡」
佐野洋「狂女の微笑」
森村誠一「児童心理殺人事件」
多岐川恭「悪い記憶」
逢坂剛「不安の分析」
正直、これはというほどの作品集ではない。一言で心理学といっても時代によってアプローチが違いすぎるので、あまり統一されたイメージは感じず、本としてのバランスの悪さが気になる。
ただ作品個々の質は悪くない。だいたい顔ぶれを見ても、手練れの作家が顔をそろえているし、特に「児童心理殺人事件」や「悪い記憶」はあらためて森村誠一や多岐川恭の水準の高さを感じさせる。多作家なのでどうしても軽く見てしまいがちだが、多作ゆえに読ませる技術は確たるものがあり、このあたりの作家はやはり一度きちんと読んでおかなければ、という気持ちになる。
起床後は『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』を観に立川へ。平日の昼間、しかも猛暑ということもあって入りは八割程度でゆっくり座れるのがありがたい。で、ポップコーンなど頬張りながら二時間を楽しむ。タイムトラベルネタを使っているので、SFミステリ的な味わいがあり、ストーリーそのものは面白い。だが、けっこう駆け足の展開なので、小学生あたりに理解できるのだろうかと要らぬ心配をしてしまう。特に後半はきついのではないかな。それにしてもみんな成長したなぁ。
読了本は河出文庫のアンソロジー『サイコ・ミステリー傑作選』。昨今ではサイコ・ミステリーというと『羊たちの沈黙』などに代表されるような、狂気に駆り立てられたホラーっぽい犯罪を描いた物、という認識があるが、本書はそれとは違う。そもそも本書の刊行時はまだそんな言葉すらなかった時代。タイトルにあるサイコ・ミステリーとは文字どおり、心理学=サイコロジーをネタにしたミステリーという程度の理解でよいだろう。
収録作は河出のアンソロジーらしく、幅広い時代から採られている。
江戸川乱歩「心理試験」
木々高太郎「眠られぬ夜の思い」
土屋隆夫「夢の足跡」
佐野洋「狂女の微笑」
森村誠一「児童心理殺人事件」
多岐川恭「悪い記憶」
逢坂剛「不安の分析」
正直、これはというほどの作品集ではない。一言で心理学といっても時代によってアプローチが違いすぎるので、あまり統一されたイメージは感じず、本としてのバランスの悪さが気になる。
ただ作品個々の質は悪くない。だいたい顔ぶれを見ても、手練れの作家が顔をそろえているし、特に「児童心理殺人事件」や「悪い記憶」はあらためて森村誠一や多岐川恭の水準の高さを感じさせる。多作家なのでどうしても軽く見てしまいがちだが、多作ゆえに読ませる技術は確たるものがあり、このあたりの作家はやはり一度きちんと読んでおかなければ、という気持ちになる。
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