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探偵小説三昧

日々,探偵小説を読みまくり、その感想を書き散らかすブログ


カーター・ディクスン『殺人者と恐喝者』(原書房)

 本日の読了本は、先日めでたく復刊の運びとなったカーター・ディクスンの『殺人者と恐喝者』。カー全盛期のものとしては唯一絶版になっていた本作だが、当時、論議を巻き起こした作品としても知られていたので、読む前はトンデモ系かとも思っていたのだが……いやいや、悪くないじゃないですか。

 本作の肝は2種類のトリック。正直言ってそのうちの物理的トリックはやや腰砕けの感がないでもないが、論議を呼んだというもうひとつのトリックは個人的には全然許容範囲である。というかこれがあるから本作は評価されるべきであろう。
 それよりも犯行手段の脆弱さの方が、遙かに気になるところである。また、トリックに比重を置いているせいか、オカルト趣味やファース、時代背景といった味付けには物足りない面もある(ただし繰り返し出てくる、H・M卿の回顧録ネタは強烈)。だが、これはあくまで好みの話なので気にするほどのものではない。
 トータルでは読み応えも十分。まずは復刊されたことを素直に喜びたい一冊といってよいだろう。

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sugata

Author:sugata
ミステリならなんでも好物。特に翻訳ミステリと国内外問わずクラシック全般。
四半世紀勤めていた書籍・WEB等の制作会社を辞め、2021年よりフリーランスの編集者&ライターとしてぼちぼち活動中。

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