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リチャード・ニーリィ『殺人症候群』(角川文庫)
久々に南大沢のアウトレットモールへ出かけ、服やら何やらを買い込む。帰宅後はファクスで届いていた諸々の仕事をチェック。
先日の『オイディプスの報酬』がまずまず良かったのでさらに『殺人症候群』を読む。世間的な評価はこちらが上なので、それなりに期待して読み始めたが、確かに面白い。今回は面倒なのでネタバレありでいく。ご注意あれ。
主人公はランバート・ポストという冴えない広告取りの電話営業マン。これまでみじめな人生を送ってきたランバートだが、チャールズ・ウォルターなる青年と出会えたことで生活が少しずつ変わっていく。いつも自信に満ちあふれたチャールズは、誰も相手にしないランバートとなぜか懇意になり、同居までするようになった。
そんなある日、チャールズが行った悪戯がもとでランバートは女性たちから酷い目に遭わされてしまう。その話を聞いたチャールズは、女性に対して次々と殺戮を繰り返すようになる……。
本作は語り手を複数に設定し、さまざまな視点で事件を追うというスタイルをとっている。これはもちろん本作の肝である●●トリックのために用いられているもの。残念ながら現代では、この設定だけで勘のいい読者に読まれてしまいそうだが、それでもガチガチのマニア相手でなければ今でも十分に効果的である。
また、何も●●トリックのためとばかりもいえず、登場人物の心理を深く掘り下げると同時にサスペンスも高めるという、二重三重のメリットを生んでいる。ニーリィは基本的に緻密な構成を得意としているようなので、本作でもその狙いは十分成功していると言えるだろう。
先日の『オイディプスの報酬』がまずまず良かったのでさらに『殺人症候群』を読む。世間的な評価はこちらが上なので、それなりに期待して読み始めたが、確かに面白い。今回は面倒なのでネタバレありでいく。ご注意あれ。
主人公はランバート・ポストという冴えない広告取りの電話営業マン。これまでみじめな人生を送ってきたランバートだが、チャールズ・ウォルターなる青年と出会えたことで生活が少しずつ変わっていく。いつも自信に満ちあふれたチャールズは、誰も相手にしないランバートとなぜか懇意になり、同居までするようになった。
そんなある日、チャールズが行った悪戯がもとでランバートは女性たちから酷い目に遭わされてしまう。その話を聞いたチャールズは、女性に対して次々と殺戮を繰り返すようになる……。
本作は語り手を複数に設定し、さまざまな視点で事件を追うというスタイルをとっている。これはもちろん本作の肝である●●トリックのために用いられているもの。残念ながら現代では、この設定だけで勘のいい読者に読まれてしまいそうだが、それでもガチガチのマニア相手でなければ今でも十分に効果的である。
また、何も●●トリックのためとばかりもいえず、登場人物の心理を深く掘り下げると同時にサスペンスも高めるという、二重三重のメリットを生んでいる。ニーリィは基本的に緻密な構成を得意としているようなので、本作でもその狙いは十分成功していると言えるだろう。
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