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探偵小説三昧

日々,探偵小説を読みまくり、その感想を書き散らかすブログ


スティーヴン・キング『不眠症(下)』(文藝春秋)

 スティーヴン・キングの『不眠症(下)』読了。
 いやいや、やっぱりキングです。上巻では濃密な描写の連続で少々かったるかったが、下巻はほぼ一気に読ませるアップテンポな展開。刊行当時は「老人版IT」などと評されていたようだが、確かに普通の老人が不思議な力を得て、仲間と共にダークサイドに立ち向かうというのは、「IT」そのもの。まず文句なしに楽しめるキング節全開の快作といえるだろう。

 ただし。ただしである。クライトンと同様、これだけキングを読んでくると、お決まりの展開に少々食傷気味なのも事実。キングの作品はどれも長大なだけに、かなりの時間を割いて読んでいるわけだが、読後の印象がいつも同じというのは悲しい気がする。
 そういえば、キングはあと何作か書いた後に執筆を止めるみたいな話をどこかで読んだ覚えがあるが、あれはどうなったんだろう? もしそれが本当なら、最後にとんでもない試みにチャレンジするとかやってもらいたいものだが。

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プロフィール

sugata

Author:sugata
ミステリならなんでも好物。特に翻訳ミステリと国内外問わずクラシック全般。
四半世紀勤めていた書籍・WEB等の制作会社を辞め、2021年よりフリーランスの編集者&ライターとしてぼちぼち活動中。

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