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探偵小説三昧

日々,探偵小説を読みまくり、その感想を書き散らかすブログ


小酒井不木『大雷雨夜の殺人』(春陽文庫)

 春陽文庫の<探偵CLUB>から小酒井不木を読む。
 最近いくつか読んできた不木の短編集は傑作を集めたものばかりだったが、本書は春陽堂書店が過去に出版したものを文庫として復刊したもの。したがっていわゆる傑作選とは異なり、玉石混淆の可能性がすこぶる高いわけだ。
 以前、ちくま文庫の『怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集 恋愛曲線』の感想で、国書刊行会の『人工心臓』と収録作がだぶっているのは傑作ばかり、と書いたのだが、まさにそれが検証できた一冊。

「大雷雨夜の殺人」
「愚人の毒」
「メデューサの首」
「人工心臓」
「謎の咬傷」
「烏を飼う女」
「抱きつく瀕死者」
「雪の夜の惨劇」
「好色破邪顕正」

 以上が収録作だが、初めて読む作品が多いのは嬉しいところ。既読はおそらく「愚人の毒」「メデューサの首」「人工心臓」の三編。だが、先に書いたとおり、やはり出来からいうとこの三編に尽きる。また、ネタは弱いが「大雷雨夜の殺人」は冒頭の謎の提出や全編を覆う雰囲気がよく、好きな作品ではある。
 ただ、そうは言っても「謎の咬傷」の凶器とか「雪の夜の惨劇」の探偵の活躍とか、今だったらトンデモ系に加えられそうなものも決して嫌いではないんだから困ってしまう。

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sugata

Author:sugata
ミステリならなんでも好物。特に翻訳ミステリと国内外問わずクラシック全般。
四半世紀勤めていた書籍・WEB等の制作会社を辞め、2021年よりフリーランスの編集者&ライターとしてぼちぼち活動中。

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