Posted
on
鮎川哲也/編『猫のミステリー』(河出文庫)
犬か猫かと聞かれたら迷わず犬派の管理人だが、ミステリに関しては圧倒的に分が悪い気がする。三毛猫ホームズという長大なシリーズの印象もあるだろうが、アンソロジーでも圧倒的に猫の方が多いのではないか。もともと猫はミステリアスという形容もされるくらいだから、ミステリには合うんだろうな。
ちなみにGoogleで「猫 ミステリ アンソロジー」と「犬 ミステリ アンソロジー」で検索をかけてみたら、前者は4510件、後者は3640件がヒットした。やはり猫の方が多い。まあ、どうでもいいことなんだが。
猫派も納得、かどうかは知らないが、本日の読了本は鮎川哲也/編『猫のミステリー』。収録作は以下のとおり。
都筑道夫「檸檬色の猫がのぞいた」
川島郁夫(藤村正太)「乳房に猫はなぜ眠る」
津井つい「猫に卵」
南部樹未子「 愛の記憶」
赤川次郎「三毛猫ホームズの幽霊退治」
角田喜久雄「猫」
土岐雄三「 猫じゃ猫じゃ事件」
岡沢孝雄「猫の手紙」
新田次郎「猫つきの店」
藤枝ちえ「猫騒動」
日影丈吉「「風邪ひき猫」事件」
印象に残ったのは、まず都筑道夫の「檸檬色の猫がのぞいた」と南部樹未子「 愛の記憶」。どちらもサスペンス色の強い佳作で、ともに最後の一文が秀逸。わたし猫好きだから、ぐらいの気持ちで読むと少し胃にもたれるかも(笑)。
川島郁夫「乳房に猫はなぜ眠る」もよい。サナトリウムを舞台に患者間の人間関係を盛り込み、しっかりした本格に仕上げている。短いながらも大変読み応えがあり、好みで言ったらこれが一番。
この作品集の中ではどうしても古くささを感じてしまうが、角田喜久雄「猫」も妻の心理をうまく描いており、個人的には好み。
作家名だけを見るとなかなか渋いラインナップだが、中身は本格からファンタジー系、ショートショートまで含めてバラエティ豊か。質も高くて、本書は予想以上に読み応えのあるアンソロジーといえるだろう。
ちなみにGoogleで「猫 ミステリ アンソロジー」と「犬 ミステリ アンソロジー」で検索をかけてみたら、前者は4510件、後者は3640件がヒットした。やはり猫の方が多い。まあ、どうでもいいことなんだが。
猫派も納得、かどうかは知らないが、本日の読了本は鮎川哲也/編『猫のミステリー』。収録作は以下のとおり。
都筑道夫「檸檬色の猫がのぞいた」
川島郁夫(藤村正太)「乳房に猫はなぜ眠る」
津井つい「猫に卵」
南部樹未子「 愛の記憶」
赤川次郎「三毛猫ホームズの幽霊退治」
角田喜久雄「猫」
土岐雄三「 猫じゃ猫じゃ事件」
岡沢孝雄「猫の手紙」
新田次郎「猫つきの店」
藤枝ちえ「猫騒動」
日影丈吉「「風邪ひき猫」事件」
印象に残ったのは、まず都筑道夫の「檸檬色の猫がのぞいた」と南部樹未子「 愛の記憶」。どちらもサスペンス色の強い佳作で、ともに最後の一文が秀逸。わたし猫好きだから、ぐらいの気持ちで読むと少し胃にもたれるかも(笑)。
川島郁夫「乳房に猫はなぜ眠る」もよい。サナトリウムを舞台に患者間の人間関係を盛り込み、しっかりした本格に仕上げている。短いながらも大変読み応えがあり、好みで言ったらこれが一番。
この作品集の中ではどうしても古くささを感じてしまうが、角田喜久雄「猫」も妻の心理をうまく描いており、個人的には好み。
作家名だけを見るとなかなか渋いラインナップだが、中身は本格からファンタジー系、ショートショートまで含めてバラエティ豊か。質も高くて、本書は予想以上に読み応えのあるアンソロジーといえるだろう。
- 関連記事
-
-
伴野朗、都筑道夫、他『カチカチ山殺人事件 昔ばなし×ミステリー【日本篇】』(河出文庫) 2021/02/27
-
星新一、他『占いミステリー傑作選』(河出文庫) 2005/10/22
-
江戸川乱歩、他『サイコ・ミステリー傑作選』(河出文庫) 2004/07/09
-
石沢英太郎、他『古代史ミステリー傑作選』(河出文庫) 2004/02/19
-
江戸川乱歩/編『推理教室』(河出文庫) 2004/02/14
-
鮎川哲也/編『猫のミステリー』(河出文庫) 2003/01/19
-
仁木悦子、他『メルヘン・ミステリー傑作選』(河出文庫) 2002/04/05
-
『不思議の国のアリス・ミステリー傑作選』(河出文庫) 2002/01/04
-