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探偵小説三昧

日々,探偵小説を読みまくり、その感想を書き散らかすブログ


岡本綺堂『風俗江戸物語』(河出文庫)

 仕事始め。新人も一気に5人ほど入ってきて、面倒を見たり、挨拶回りに出たり、取引先の新年会に出たりして、目が回る。久々に長い休みだったので、まだ体がぼけているのがのが哀しい、っていうか情けない。

 本日の読了本は、岡本綺堂作『風俗江戸物語』。あの「半七捕物帳」の生みの親、岡本綺堂が、タイトルそのままに江戸の生活や習慣などを記したもの。内容についてはそれ以上でも以下でもなく、奇をてらったアプローチをするわけでなく、ごくごく真面目に江戸風俗を紹介しているので、あまり時代劇に興味がない人でもそれなりに楽しめるのではないだろうか。

 私的には昨年マイブームだった城昌幸の「若さま侍」シリーズをより楽しむための資料として読んだわけだが、巻末の解説を読むと、そもそも本書は「半七捕物帳」を理解する手助けとなるように書かれた本であるらしい。おお、我ながら実に正しい読み方をしていたわけだ。
 ちなみにこの解説はなかなかためになることが多く、本書の原本が誤植だらけだったことや、版元が岡本綺堂に無断で本を作ったために綺堂が出版差し止めを行ったこと、それらの事情によって、文庫化されるまでは長らく幻の古書扱いされていたことなどが書かれていて面白い。綺堂の人となりなどにも触れられ、解説かくあるべし、という見本のような解説である。
 うう、今回は中身より解説の感想になってしまった。

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sugata

Author:sugata
ミステリならなんでも好物。特に翻訳ミステリと国内外問わずクラシック全般。
四半世紀勤めていた書籍・WEB等の制作会社を辞め、2021年よりフリーランスの編集者&ライターとしてぼちぼち活動中。

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