Posted
on
マイケル・ボンド『パンプルムース家の犬』(創元推理文庫)
昨日読んだ『スラッグス』があまりに強烈だったため、本日はほのぼの系というかマイケル・ボンドの『パンプルムース家の犬』を携えて出勤。『くまのパディントン』で有名な作者が書いた、美食探偵が活躍するユーモアミステリだ。一、二作目はハードカバーでの出版だったが、この第三作目からは文庫で登場と相成った。
主人公は元パリ警察の名刑事にして、現在はグルメガイドの覆面調査員であるパンプルムース氏。同じく元警察犬のポムフリットを従え、ヨーロッパ各地のレストランを食べ歩く毎日である。本日もある三つ星レストランで休暇を楽しんでいたが、そこへ大変な事件が持ち上がった。そのレストランの跡継ぎと目されるデザート・シェフが失踪したのである。問題はそれだけではない。毎年この時期には、彼の作るスフレ目当てに訪れるアラブの石油王がいるのだ。もしスフレが食べられなくて機嫌を損ねてしまったら、フランスへの石油の供給を絶ってしまうかもしれないのだ。パンプルムース氏はポムフリットとともに、国家の危機を救うために立ち上がった。
このシリーズは近来希に見る楽しいユーモアミステリ。ミステリのパターンを逆手に取るようなギャグも多いが、かといってそれが近頃流行のアンチミステリになっているとか、パロディになっているとか、実はマニアの裏をかくような謎解きを仕込んでいるということはない。難しく考えず、ごくごく素直に楽しむのが吉である。実際、謎解きは付け足し程度のものなので、事件に無理矢理(?)結びつけられるグルメやお色気をクスクス笑いながら楽しめばよいのである。本作でも傑作なシーンは多いが、特にピクニックの場面はいろいろな意味で笑わせてもらいました。
あえてケチをつけるなら、終盤のストーリー展開でちょっとわかりにくいところがあるのがいただけなかった。ラストで一応説明があるものの、かなり重要なシーンなので、もう少し前後にしっかりした説明がほしいところ。やや作者の独りよがりな進行になっていたのが惜しい。
なお、パンプルムース氏とポムフリットのシリーズは、なんと本国ではすでに十四冊も刊行されているらしい。日本でも引き続いてドンドン翻訳してほしいものである。
主人公は元パリ警察の名刑事にして、現在はグルメガイドの覆面調査員であるパンプルムース氏。同じく元警察犬のポムフリットを従え、ヨーロッパ各地のレストランを食べ歩く毎日である。本日もある三つ星レストランで休暇を楽しんでいたが、そこへ大変な事件が持ち上がった。そのレストランの跡継ぎと目されるデザート・シェフが失踪したのである。問題はそれだけではない。毎年この時期には、彼の作るスフレ目当てに訪れるアラブの石油王がいるのだ。もしスフレが食べられなくて機嫌を損ねてしまったら、フランスへの石油の供給を絶ってしまうかもしれないのだ。パンプルムース氏はポムフリットとともに、国家の危機を救うために立ち上がった。
このシリーズは近来希に見る楽しいユーモアミステリ。ミステリのパターンを逆手に取るようなギャグも多いが、かといってそれが近頃流行のアンチミステリになっているとか、パロディになっているとか、実はマニアの裏をかくような謎解きを仕込んでいるということはない。難しく考えず、ごくごく素直に楽しむのが吉である。実際、謎解きは付け足し程度のものなので、事件に無理矢理(?)結びつけられるグルメやお色気をクスクス笑いながら楽しめばよいのである。本作でも傑作なシーンは多いが、特にピクニックの場面はいろいろな意味で笑わせてもらいました。
あえてケチをつけるなら、終盤のストーリー展開でちょっとわかりにくいところがあるのがいただけなかった。ラストで一応説明があるものの、かなり重要なシーンなので、もう少し前後にしっかりした説明がほしいところ。やや作者の独りよがりな進行になっていたのが惜しい。
なお、パンプルムース氏とポムフリットのシリーズは、なんと本国ではすでに十四冊も刊行されているらしい。日本でも引き続いてドンドン翻訳してほしいものである。
- 関連記事
-
-
マイケル・ボンド『パンプルムース氏と飛行船』(創元推理文庫) 2007/10/13
-
マイケル・ボンド『パンプルムース氏のダイエット』(創元推理文庫) 2003/07/25
-
マイケル・ボンド『パンプルムース家の犬』(創元推理文庫) 2002/10/18
-