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ロバート・B・パーカー『ガンマンの伝説』(早川書房)
読む前からある程度確信していたことだが、やっぱり思ったとおり。本日読了したロバート・B・パーカー『ガンマンの伝説』の話。
これはスペンサー・シリーズでお馴染みのロバート・B・パーカーが史実などをもとに書き起こしたパーカー版「OK牧場の決闘」である。
西部史でもとりわけ有名なクラントン一家とアープ兄弟の対決が、腐敗した政治、開拓者たちの生き様などといった当時の社会的背景を交えて語られる。特に興味深いのはパーカーが両者の対立構造を文化の違いからくるものと捉えていること。主人公のワイアット・アープを通し、その文化の違いがどのようにして沸騰点に至ったかをお得意のパーカー節で描いてゆく。
で、問題はそのパーカー節&訳者の菊池節である。あまりにスペンサーもので確固たるスタイルを築きすぎたため、アープのセリフはスペンサーに聞こえ、恋人のセリフはスーザンに聞こえ、その行動スタイル、考え方に至るまで、すべてがスペンサー・シリーズと似すぎている。帯には「ハードボイルドの源泉は西部劇にあり」みたいなことが謳われているが、パーカー&菊池コンビではそりゃ共通点も多いでしょう。少なくとも訳者を変えるぐらいのことは試してもよかったのではないか?>早川書房編集部
ハッキリ言って、管理人的にはとても「OK牧場の決闘」を読んだ気にはなれず、スペンサー・シリーズ外伝を読まされている気分だった。だからスペンサーもの程度には楽しめるが、決してそれ以上のものではない。本当にパーカーはこれが書きたかったのか、疑問である。
これはスペンサー・シリーズでお馴染みのロバート・B・パーカーが史実などをもとに書き起こしたパーカー版「OK牧場の決闘」である。
西部史でもとりわけ有名なクラントン一家とアープ兄弟の対決が、腐敗した政治、開拓者たちの生き様などといった当時の社会的背景を交えて語られる。特に興味深いのはパーカーが両者の対立構造を文化の違いからくるものと捉えていること。主人公のワイアット・アープを通し、その文化の違いがどのようにして沸騰点に至ったかをお得意のパーカー節で描いてゆく。
で、問題はそのパーカー節&訳者の菊池節である。あまりにスペンサーもので確固たるスタイルを築きすぎたため、アープのセリフはスペンサーに聞こえ、恋人のセリフはスーザンに聞こえ、その行動スタイル、考え方に至るまで、すべてがスペンサー・シリーズと似すぎている。帯には「ハードボイルドの源泉は西部劇にあり」みたいなことが謳われているが、パーカー&菊池コンビではそりゃ共通点も多いでしょう。少なくとも訳者を変えるぐらいのことは試してもよかったのではないか?>早川書房編集部
ハッキリ言って、管理人的にはとても「OK牧場の決闘」を読んだ気にはなれず、スペンサー・シリーズ外伝を読まされている気分だった。だからスペンサーもの程度には楽しめるが、決してそれ以上のものではない。本当にパーカーはこれが書きたかったのか、疑問である。
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